パソコンは安いものでも数万円はするので、できることなら経費で計上したいですよね。
10万円未満のパソコンなら消耗品費として一括計上することができますよ。
10万円以上の場合、一括計上できない場合もあるため、金額別の考え方を知っていなければうまく節税できないケースも出てきてしまいます。
今回紹介する消耗品費や一括償却資産などの知識を身につけることができれば、節税効果を最大限に活用することができるでしょう。
結論として一番ラクなのは、税抜き計上で10万円未満のパソコンを購入して、クラウド会計ソフトに計算してもらうことです。
いくらのパソコンを買うにしても、クラウド会計ソフトを使えば簿記の知識も必要なく、時短にもなるため導入しておくことをおすすめします。
パソコンの経費、金額はいくらまで?
10万円未満のパソコンは消耗品費として一括で経費にできる
10万円未満、つまり99,999円までのパソコンは消耗品費として一括計上することができます。
10万円以上、20万円未満のパソコンは一括償却資産にできる
10万円以上、199,999円までのパソコンは一括償却資産にすることができます。
一括償却資産とは、法定耐用年数にかかわらず3年間で均等償却する方法です。
(資産ごとに月割りする通常の減価償却とは異なります)
一括償却資産は固定資産税の対象外とすることが可能です。
白色申告者も対象となります。
例えば、12万円のパソコンを購入すると4万円×3年間、経費にすることができます。
20万円以上、30万円未満のパソコンは少額減価償却資産にできる
20万円以上、299,999円までのパソコンは少額減価償却資産にすることができます。
少額減価償却資産は、年間300万円まで利用することが可能です。
青色申告者が対象となります。
(白色申告者は利用できません)
参考:No.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示|国税庁
30万円以上のパソコンは固定資産として減価償却する
30万円以上のパソコンは、固定資産の「器具備品」として減価償却する必要があります。
パソコンの耐用年数は4年なので、4年間かけて経費にします。
消費税を含めるのか、含めないのかは自分で決められる
10万円未満や20万円以上など、金額別に解説しましたが、「消費税を含める」のか「消費税を含めない」のかは、自分で決めることができます。
参考:No.6375 税抜経理方式又は税込経理方式による経理処理|国税庁
例えば、定価が99,000円のものは税抜きだと消耗品費として計上できますが、税込みだと減価償却等で計上する必要がでてきます。
支払う消費税は同じですが、法人税など他のものを考えると、税抜きで計算した方がお得になります。
ですが、すべての取引を消費税を別にする必要があるため、計算が面倒というデメリットもあります。
そんなときは、クラウド会計ソフトを使えば自動で設定してくれるため、非常にラクです。
freeeなら無料で使えますし簿記の知識も必要ないため、クラウド会計ソフトは必須アイテムといえるでしょう。
その他注意点
自作パソコンは一式として経費にする必要がある
できません。
なぜなら、パーツ単体で利用することができないためです。
組み合わせて機能するものは、組み合わせた状態での合計金額で考える必要があります。
グラボやメモリ等のパーツ以外にも、キーボードやマウスも同様です。
参考:N0.5403 少額の減価償却資産になるかどうかの判定の例示|法人税|国税庁
パソコンを購入した後にマルチディスプレイにする目的でディスプレイを購入した場合は、ディスプレイ単体で経費にすることが可能です。
また、「パソコンのパーツが一部壊れてしまい買い換える」となった場合は消耗品費ではなく、修繕費となるでしょう。
パソコンは貯蔵品にはできない
未使用の固定資産(パソコン)は経費にすることはできません。
郵便切手や文房具等、金銭的価値があるもの、日常的に使うものは貯蔵品として経費にすることが可能ですが、パソコンは貯蔵品に含まれません。
使用していない固定資産は、減価償却する必要がある固定資産と区別するため、
建物でなくても「建設仮勘定」という勘定科目で記帳します。
専用パソコンではない場合、按分して経費にする必要がある
できません。
1台のパソコンをプライベートと事業で利用する場合、どのくらいの割合で使っているかで考える必要があります。
専用事務所なら、「パソコンは100%事業にしか使ってない」という言い分も通りそうですが、自宅の場合、税務署が納得しない可能性もあるでしょう。
例として、13万円のパソコンを購入し、事業用7割、プライベート3割とした場合、13万円の70%(91,000円)が経費として計上できます。
ただ、取得金額は10万円以上なので、消耗品費として計上できないため注意が必要です。
まとめ
一括償却資産 | 少額減価償却資産※ | 固定資産 | |
10万円未満 | 可 | 可 | 可 |
10万円~20万円未満 | 可 | 可 | 可 |
20万円~30万円未満 | 不可 | 可 | 可 |
30万円以上 | 不可 | 不可 | 可 |
※少額減価償却資産は、中小事業者(青色申告者)のみ対象です
白色申告者は、10万円未満までなら当年全額必要経費にすることができます。
20万円未満までの場合、一括償却資産として3年間で均等償却、
20万円以上の場合、定額法に基づき減価償却する必要があります。
青色申告者は、30万円未満までの資産の場合、年間300万円まで少額減価償却資産とすることができます。
30万円以上の場合、定額法に基づき減価償却する必要があります。